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<学生戦争>黒乃×怪人×猛人×里子×維×紡 戦場にて:猫小屋日記


<学生戦争>黒乃×怪人×猛人×里子×維×紡 戦場にて

■企画元
 学生戦争ったー

■登場人物
 杜白 黒乃<モリシロ クロノ>
 水山 怪人(赤軍版)<ミナヤマ カイト>
 武田 猛人<タケダ タケヒト>

 猫樹 里子<ネコノキ サトコ>
⇒みさとさん(@nekonoki3310)とこの子です。お借りしました。

 手結 紡<てつがい つむぐ>
 手結 維<てつがい つなぎ>
⇒こちらお二人は紡さん(@blanclait_you)とこの子です。お借りしました。







 銃声が聞こえる。金属のぶつかる音が聞こえる。悲鳴が聞こえる。怒号が聞こえる。当然だ、戦場なんだから。
 白軍正規軍のみぞおちから薙刀を引き抜くと、怪人は、辺りを見回した。やっと、この抗争も落ち着いてきただろうか。あれだけいた白軍も、随分と少なくなった。混乱した戦場から、退避していったのだ。

 今回の戦いは、白軍の侵攻から始まった。ほぼ奇襲だったそれは、準備不足の黒軍に大打撃を与え、学生達が住む領域までの侵入を許してしまった。大きな戦力差を見かねた我々「赤面隊」も戦いに乱入、戦場をかく乱したというわけだ。
 功を成してか、黒軍学生部隊の死傷者はほぼ、居なかった。

「おいカイ、あれ!」
「あ?…クソッ!」
「余計な殺しはするなよ!」
「知らないね!」

 赤面隊副隊長「武田猛人(たけだたけひと)」が指差す先には、白黒両軍生徒数名の姿があった。そしてその少し離れた先には、白軍正規軍の残党。手にはライフル。
 駆け出すも、流石に間に合わない距離だということが分かった。狙われている小柄な生徒は敵に気が付いていない。このままではヘッドショットをかまされて、脳みそがドカン、だ。
 しかし怪人の予測は外れた。およそありえない事象だったが、その場にいたもう一人の黒軍生徒が、手にした銃で接近するライフルの銃弾を撃ち落したのだ。生徒達の会話が聞こえる。怪人は、助けを請う正規軍の腹部をめった斬りにし、致命傷を負わせ無力化すると、生徒達の会話に耳を傾けた。

「おわっ。なんだべちゅなぎ!」
「狙われてる」
「ああでももう大丈夫そう…かな?あの赤軍が助けてくれたみたいだ」

 一同が怪人を見た。怪人は、彼等の顔を確認する。黒軍の少女二人。一人は同じクラスの「猫樹里子(ねこのきさとこ)」もう一人は、二学年の「維(つなぎ)」だろう。苗字は知らない。しかし気になるのは白軍の男子生徒だ。なぜ戦場下、黒軍である二人と行動を共にしている?

「あぁ…紡(つむぐ)じゃないか…」

 猛人がぼそりと呟いた。

「知っているのか?」
「クラスメイトだ」
「ふん、反逆でもしてるつもりか」
「いや、恐らく姉を助けに来たのだろう。黒軍に姉が居ると聞いた」
「ふーん…」

 なるほど、よく見るとあの維と紡、どこか似ている。恐らく姉というのは維の事だろう。それにしても仲の良いことだ。あの里子に、命を守りあう程の仲間が居たとは。
 薙刀の血を払い、強襲に備えて構え直すと、目の前の維が怪人に銃口を向けた。

「私を撃つというのか。当たりやしないぞ」
「......近づくな」

 相当の自信があるのだろう。ドスの利いた声で唸るように言うと、銃口を怪人の赤仮面に向けた。だが、怪人も怯むわけには行かない。

「ふふ…威勢の良いことで」

 一歩、また一歩と慎重に維に近づく。舐められるわけにはいかない。赤面隊は舐められてしまっては終わりなのだ。ましてや、隊長であるこの私が。

「里子さんですね、あなた、良い仲間に恵まれている」
「んんっ…わの事、知ってらのが?」
「止まれ」

 維が怪人の足めがけて発砲する。しかし、怪人はそれを、すんでのところで避けることに成功した。いや、維がわざと外したのかも知れない。怪人の背中に、人知れず冷や汗が流れる。

「お前たちを傷つけるつもりは無い。だからその銃口を下げて貰おうか」
「……。……いいだろう」

 維が武器を下ろす。そうだ、それでいい。学生同士で命のやり取りはしなくていい。私が目指す未来には、学生同士の団結が必要だ。命のやり取りをして、いがみ合っている場合ではない。怪人は自分を奮い立たせた。

「おっかねぇ仮面だの…」

 里子がぼそりと呟いた。紡が慌てて耳打ちする。

「里子、あんまり余計な事言わないほうがいいよ」
「すまね」

 一呼吸置いて、怪人は演説を開始した。

「我々学生同士が殺しあう必要は無い」
「急に何を…」

 紡が口を挟むが、怪人はそのまま続けた。戦場であまりモタモタするのは得策ではないからだ。

「我々赤面隊は、仲間を求めている。理想を共に作り上げる仲間を。そしてそれは、他ならぬお前達学生諸君だ。…私は…」

 突如、怪人に二つの刃と共に、黒軍の少女が一人飛び掛ってきた。杜白黒乃だ。黒乃は目を血走らせ、普段の冷静そうな様子から一変、バーサーカーのように闇雲に武器を振り回している。

「見つけた!殺してやる!死ねぇぇぇえええ!!」
「黒乃…!」

 誰にも聞こえない、ほんの小さな声量で呟いた。震えた声。不意をつかれ、怪人のペースが崩された。

「お前がいなければ!お前がぁ!!」
「まて、止まれ!」

 攻撃を薙刀の柄で受け流しながら、黒乃に語りかける。が、黒乃は一向に止まりそうに無い。人殺しとか、鬼畜野郎とか、罵詈雑言を怪人に浴びせていた。錯乱する黒軍の少女を見て、維と紡も黒乃に加勢を決めたらしい。紡が里子を守りつつ、維が発砲。怪人の劣勢は明らかだった。

「うっ…クソッ!」
「潮時だな、カイ」
「タケか。引き込むチャンスなんだ…」

 猛人がその大きな左手で全ての銃弾をはじき返し、巨大なメイスを地面に向けて振り下ろした。地面が反動で隆起し、吹き上がり、土の目くらましとなった。

「諦めろ、無理だ」
「いいや、諦めない!」
「いい加減にしろ!」
「黙れ!私に指図するな!」
「またアレを繰り返す気か!」

 その瞬間、あの、黒軍の少女の最後の姿が怪人の脳裏によみがえった。覚悟のある正規軍の大人を殺すことは躊躇しない怪人も、時代に翻弄されているだけの学生を殺すことだけはしなかった。あの時の「学生殺し」は、怪人にとって、大きなトラウマとなっていた。

「わかった…」

 胸のペンダントを押さえ、諌めていた猛人よりも素早く、怪人はその場を後にした。人がいなくなった戦場に、黒乃の悲痛な叫び声だけがこだまし続けていた。
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